演劇

『関数ドミノ』 舞台 繋がってんだよ、好きでも嫌いでも 

劇団イキウメの代表作の一つを、外部演出家と役者によって再演。本多劇場。 過去に2つバージョンのあるうち初版オリジナルの戯曲をもとに作者前川知大が改稿している。 そこにある空気と役者の存在感が妙に生々しい舞台だった。本多劇場という箱のサイズも…

『髑髏城の七人 風』 舞台 橋本じゅん最高だぜ

花、鳥と続いた髑髏城も3バージョン目の風。 主役の捨之介は、松山ケンイチ。 無界屋蘭兵衛には向井理、天魔王は松ケンの一人二役、極楽太夫に田中麗奈がそれぞれキャスティングされている。 ついでに雁鉄斎には橋本じゅん。 古田新太が過去に演じた一人二役…

納涼歌舞伎 『桜の森の満開の下』舞台 新しい古典の生まれる瞬間

野田秀樹、夢の遊民社の代表的な舞台を、ほぼ戯曲をそのままに歌舞伎の舞台にした作品。 驚いた。本当にまんま遊民社の戯曲をそのままに通りなのに、所作や言葉遣い、動きや鳴り物が変わるだけで、こうも違ったものに見えるのか。 野田秀樹が演じた耳男を勘…

坂口安吾 2編 『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』 本 読書メーター / 『贋作・桜の森の満開の下』 野田秀樹・舞台DVD 納涼歌舞伎「桜の森の満開の下」への予習

桜の森の満開の下 作者: 坂口安吾 発売日: 2012/09/13 メディア: Kindle版 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 『桜の森の満開の下』 妖しく咲き誇る満開の桜。本来の桜は狂おしく嫌悪に近い悪魔的な魅力を持つものだ。薄桃色の美しい花弁が幾重にも…

『髑髏城の七人 鳥』 舞台 歌えや踊れ

4月に観た『髑髏城の七人』のアナザーバージョン。 主役の捨之介は、阿部サダヲ。 無界屋蘭兵衛には早乙女太一、天魔王に森山未來、極楽太夫に松雪泰子がそれぞれキャスティングされている。 古田新太や小栗旬の着流しイメージから一変した阿部サダヲが良い…

『郵便屋さんちょっと2017 PS. I love you』 舞台 つかかどうかは関係ねえ こともないか

新宿 紀伊國屋ホール。 つかこうへいの戯曲とエッセイは、80年代10代だった私の身体の一部だった。 つかこうへいと栗本慎一郎と村上龍で、自分の身体と思想はできていた。何かといえばそう口走ってた。 自意識過剰でニューアカ、サブカル気取りの、田舎の嫌…

劇団イキウメ 『天の敵』 演劇 東京芸術劇場シアターイースト ごま油香る、食欲と脳味噌を刺激する舞台

劇団イキウメ。 徹底して菜食にこだわる料理家とALSにかかった余命5年のジャーナリストとの会話の中から浮き上がってくるのは、料理研究家の驚くべき遍歴。彼は122歳だった。健康によい完全食とは何なのか。 冒頭の料理番組収録シーンで、牛蒡の金平と入り豆…

『クヒオ大佐の妻』 舞台 東京芸術劇場シアターウエスト 愛と幻想の狂気が安アパートで静かに炸裂する

吉田大八作・演出。 1970年代から90年代にかけて、カメハメハ大王やエリザベス女王の親類であると偽り、結婚詐欺を繰り返した「ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐」と名乗る実在の日本人をモチーフにした作品。クヒオ大佐の妻を主人公に据え、狭いアパート…

『髑髏城の七人 花』 舞台 劇団☆新感線 回る、回るよ客席回る♬ ちょっと酔いそうなの

豊洲に新しくできた360度舞台で観客席が回転する劇場のこけら落とし公演。 劇場の様子も書こうかと思ったのだけど、場内は上演中以外も撮影禁止だったので、内部の画像は割愛。 ド定番の髑髏城。ベースはワカドクロ。 小栗旬が捨之介を演じて、山本耕史が蘭…

シネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」 舞台 映画 

www.youtube.com 「足跡姫」を観劇した流れで、野田秀樹×勘三郎+三津五郎の舞台を再見。 金の亡者の棺桶屋の三太が、ひょんなことから義賊の鼠小僧となって年の瀬の江戸の町に小判の雨を降らせる。歌舞伎の所作で、野田秀樹の世界に翻訳されたクリスマス・キ…

「足跡姫」 舞台 NODA MAP 例えその身は滅んでも

池袋芸術劇場。 前回の「逆鱗」とは異なり、往年の多層な解釈と大仕掛けなドンデンの展開ではなく、ある意味ストレートな舞台だった。 亡くなってしまった勘三郎へのオマージュと言うだけあって、彼への想いや歌舞伎、演じる事への野田秀樹ならではの想いを…

「皆、シンデレラがやりたい。」 舞台・根本宗子作、演出 下北沢本多劇場 こじらせアラフォー女に魅せられて

シンデレラって、なるもんじゃなくて、やるもんだったんだな。恐るべしアラフォー女子。 自らの劇団の本公演ではなく、外部プロデュース公演。 根本宗子が劇団☆新感線の高田聖子、大人計画の猫背椿、ナイロン100°Cの新谷真弓の三大看板女優を迎えて、アラフ…

「七人は僕の恋人」

☆☆

「七人の恋人」

☆☆

「決闘。高田馬場」 パルコ歌舞伎 三谷幸喜

昨年から歌舞伎にちょっとだけはまっていて、数作見たけど、現代歌舞伎ってのはこれが一つの答えで良いのかな。 鳴りものから始まり、大見得で終わる、舞台らしい舞台ではある。 走るってのは、一つの大きな見せ場にしたのは、さすがに三谷らしい挑戦だ。 と…

「恐れを知らぬ川上音二郎一座」

「野田マップ キル」

WOWOの録画。 大満足。妻夫木だって良いじゃない。遊民者解散後、初の戯曲。14年前だって。ついこの前のような気がする。 遊民者の野田の言葉へのセンスと、肉体をさらに極めたワークショップから生まれる野田マップの肉体性と舞台構成が、見事に一致してい…

「ロープ」 NODA・MAP

野田秀樹の2006年の作品、WOWOWを録画して観た。どうしたんだろう、野田秀樹らしくない。あまりに直接的だ。限られた空間では許される暴力が、エスカレートしていき、暴力の連鎖が、暴力を産み、暴力へ恐れがさらなる暴力と暴虐を産む。それは分かる。最後の…

「ドブの輝き」 大人計画

宮藤官九郎台本の公演と松尾スズキ台本の公演との2本だて公演。間に映像作品が入る得する3本だての公演。と言っても間の映像作品はどうでも良かった。宮藤のパートは、法廷のみで進む、不具合を持つ者たちの情念演歌を巡る法廷劇で、松尾スズキのパートは、…

「The BEE」

「労働者M」 作・演出ケラリーノ・サンドロヴィッチ

観劇と言ってもWOWOW放映の録画。ケラのバンド時代の曲からタイトルを引用しているらしいのだが、その曲は良く知らない。冒頭にある注釈、二つの物語が平行して、入り乱れ時間軸も前後しながら進行すること・わざと台詞やシーンに欠損があること、の会話がう…

『シティボーイズ-マンドラゴラの降る沼』

生で舞台を見たかったな。「お笑いスター誕生」「ぱおぱおチャンネル」を経た筋金入りの大竹まことファンの俺としては、単純に面白かった。斉木しげるもきたろうも良い味を出しているし、いとうせいこうも久しぶりに役者として観たが、独特の飄々とした感じ…

大人計画「まとまったお金の唄」

「野獣降臨 のけものきたりて」野田秀樹

先日の劇団印象つながりで購入した夢の遊眠社DVDボックスの一つ。 もう15年以上前のものだったんだな。バブル真っ盛りで、小劇場ブームだった当時を懷かしく思い出す。 役者の体が舞台の上を所狭しと動き回る。踊り、叫び、笑い、演技する。舞台の演技とは運…

劇団印象『嘘月』

横浜STホールで観劇。 演劇を生で観るのは数年ぶりで、開演前はワクワクした。 日曜の午後、とても小さな劇場は満席で観客が開演を静かに待つ様子は、演劇独特のもの。共有できている空気を含めて観劇は始まっているわけだ。演劇のストーリを取り上げて、詳…