『チャイナタウン』『黄昏のチャイナタウン』

ロマン・ポランスキー監督の第一作と、ジャック・ニコルソン監督の第二作。続けて観た。第一作はずいぶん前に観ていたし、第二作も学生時代に映画館で観てるはず。がさっぱり頭に残っていなかった。どちらも良い映画だな。全然目指すテイストは違うけれど、ポランスキーの描きたかった30年代の退廃や、チャイナタウンって言う言葉に込められている混乱や異質感が伝わってきて、やりきれない寂寥感溢れる悲劇的なラストの第一作。そのラストにどうしても納得ができす、数十年の時間が経ってからもう一度作品として自分なりの決着を付けようとしたニコルソンの第二作。
どちらかと言えば第一作の方が好みだし、クオリティーは高いと思う。でもニコルソンの第二作も実は単純なハッピーエンドではなくて、やっぱり寂しさがにじみ出していて良い映画。ハーヴェイ・カイテルのもう一人のジェイク、複雑な男の心理が渋い。ハリウッドスタジオの映画なのに良くこうしたキャラクターを登場させる事ができたものだと感心した。エンディングも今の観客では理解できないんじゃないのかと思うほど渋い。哀しさと寂しさに滿ちたでも幽かに希望に繋がっていく別れ。映画のハードボイルドってのはこうでなくちゃね。