『月の扉』

面白い。あえて本格へのアプローチを捨てて、オカルティックな設定を真ん中に置く潔さ。
ハイジャックした機体の中でおこる密室殺人。しかも語り部はハイジャック犯、そして探偵は巻き込まれよりもさらに進歩した「押しつけられ」探偵。
この設定だけでもわくわくするのに、月の扉、と言う設定。
本格志向の限られた”マニア”なんか相手にしなくていい。こういうわくわくして、新しいミステリーを意欲的に書き上げる志は、素敵だ。
しかもぐいぐい読ませるストーリー。例え謎解きの場面が少しぐらいとろくても、充分おつりが来るできだ。買いだ!読め!