「銀河鉄道999」

NHK BSの特番で放送していたものを見る。HDDレコードは便利だ。
何十年ぶりだろう。改めて面白かった。話の筋やつじつまはかなり破綻しているけれど、それでも通しで見ると、胸の奥が熱くなる。やっぱキャプテン・ハーロック井上真樹夫でしょ。
トチローも最初は生きているのね。
物語はこうでなくては。大きな筋と、それにまっこう取り込まれる主人公。感情移入する僕逹は、選ばれた主人公なんだ。クイーン・エメラルダスだって誰だって主人公にしっかりと向き合ってくれる。無条件に選ばれた状態の主人公が成長していく物語って今でも必要だ。
ハーロックの台詞も熱いし、鉄郎の台詞も熱い。熱い言葉を恥ずかしがらずに語る強さは、良いよ。
リューズって女の登場人物がトレーダー分岐点の場末のバーで歌う「やさしくしないで」って曲がある。初めてこの映画を観た時からこの曲が気に入って、地元のレコード屋探し回ってEP版を買った。しっかり覚えていて、一緒に歌って涙ぐんでしまった。恥ずかしい。今歌えばかなりというかまさに歌謡曲なんだけど、歌詞がいいんだよ。どうして小学生の俺に届いたのか不思議だけど、どうせその頃から老け気味だったんだよ。本人は渋い趣味でわびだのさびだの言っていたんだけどね。

何が欲しいと言うの 私、それとも愛
翼癒す鳥たちも 私が欲しいと騒がしい
壞れた玩具箱を子供みたいに
大事そうに抱えこんで それでどうなるの

何が欲しいと言うの 私、それとも愛
疲れ果てた心には 優しくしないでさせないで
誰でも昔話 ひとつやふたつ
大事そうに語るけれど それでどうなるの

バーで松本零士が泣くなんだよ。観てるこっちだって一緒に泣くだろう。
原画の金田なんか後半大事なシーンのほとんどを描いてるのが見てるだけで分かる。メーテル星に進行するアルカディア号のシーンなんて今でも凄いクオリティだよ。パースも光も炎も凄い!当時、一瞬アニメーターになりたくなったもんな、本気で。富野になるか金田になるかでかなり悩んだ。俺はやっぱ演出だな、でも原画こそアニメのきもだしな・・・。
タイトルロールの原画マンの数の少なさにびっくりする。昔はこんな人数で回してたんだね。そりゃ作画の細かさもこれくらいが限度だよな。
さあ次は「さよなら銀河鉄道999」だ。