「リベリオン」

B級最高。予告編観て異常に気になっていた。クリスチャン・ベール主演でそれ以外のキャストはどこのだれだか良く知らない。すでにキャスティングの時点でB級の匂いがする。
ストーリーそのものに驚きは無いんだけれど、この映画は独特のアクションガン=タカの素晴らしさにつきる。ガンアクションと空手らしき格闘技との融合らしいんだけれど、そのストイックな動きに痺れる。オリジナリティの高さはもちろん、アクションのキレの良さ、見得を大切にするスタイリッシュな間と感覚。画作りの良さを最優先に言葉通り格好の良い動きを極めたという感じだ。
このアクションのために作られたストーリーや世界だから矛盾や破綻は、問うまい。アクションを無駄に見せびらかさず、靜から動への転換を大切にし、小出しにしたガン=タカの魅力を最後のシーンで炸裂させる。監督の計算は見事だ。お話としてのカタルシスではなくアクションのカタルシスで観ている方は大興奮だ。途中だれぎみだったり、そこまで感情出してたら不味いんじゃないかって言うシーンもあるが、全てはラストのアクションのためにあると納得できる。装飾を極力廃した衣装のデザインやプロダクトデザインも映画の空気の構築に貢献している。これだけ静と動のメリハリの利いたアクション映画も久しぶりだ。人生を考えたり未来に思いを馳せる必要はない。一点突破のアクションシーンを堪能するための映画だ。制作者の意図もはっきりしていて、アクションのために全てが上手く貢献している。一切の無駄がない。B級と言うか、娯楽アクション映画ってのはこうでなければいけない。見得の一つ一つが決まっているし、どのシーンにも制作の意志が感じられる。前半、教会らしき廃墟の中での、パートナーを射殺するシーンの構図に痺れた。ガン=タカではないんだけどね。こういう細かなシーンにまで美意識を徹底している監督に拍手だ。
惜しむらくは、ファーザー役の顔に迫力が無い事だ。通常のシーンはあれでもいいけど、ラストのアクションでは顔に真剣味や力が一切感じられない。惜しい。