「火山高」

韓国製スーパーアクションムービー。バカ炸裂。何も感がえる事なく観られる映画だ。ストーリーなんてあって無いも同然。架空の学校、温厚な校長とナンバーワンが策略にはまり失脚している間に秘伝の書を巡って繰り広げられるバトル、そこに強力な悪の教師陣が加わり、美人のヒロインとともに主人公が巻き込まれながらも校長とナンバーワンの遺志を引き継ぎ闘う、と言うなんとも手あかの付いたストーリー。でもそんなものはいらない。マトリックスで見せつけられたアクション、アジア映画のお家芸のワイヤーアクションとCGの融合による進化したアクションに触発され、ハリウッドを超えるアクション映画を作ろうとした意気込みを楽しむ映画だから。
アクションオンリー映画としては良くできている。飽きさせる事なく最後の対決シーンまで引きつける構成は、迫力と驚きで見せて行こうという意志が良く現れている。できる事ならこういうお約束のアクションものに必要な友情と言うネタを織り込んで欲しかったな。ナンバーワンが死んでその意志を引き継ぐとかね。そういえば結局誰一人人が死なない、て言うのはこのハードアクションの世界にしては凄い。
アニメやマンガで日本人には見慣れた構図やシーン満載だけれど、日本の映画界ではどうしてこういう物が作られないんだろう。悔しかないか?韓国の勢いってのは、こういう場合あなどれない。少なくとも映画界はオリジナルがどうこうとかバカな部分にこだわらず面白いものを作るって制作者の意志はびしびしと伝わってくる状況なのに。これくらいならできますよ、日本のアニメ。マンガの影響がありますねとか言ってる状況ならあっと言うまに凋落するぞ。(まあ日本の映画界、特に娯楽映画はとっくの昔に凋落してるけどね)これ以上のものを作ってやろうってのは無いのか。キャスティングマーケティングで映画作って何ができるってのか。今や宮藤官九郎だってキャスティングの一つだからな・・・。
なにはさておき、この映画は今日みたいな差し迫ってない日に、なんも考えずシンプルに楽しむには最適な映画です。お奨め。