「JamFilms」

気鋭の若手日本人監督7人が集結した、短編映画オムニバス。
北村龍平篠原哲雄、飯田穣治、望月六郎堤幸彦行定勲岩井俊二、と監督名を並べるだけでも、最近の邦画の注目株の一部が集結したと言う感じがして、それだけで嬉しいじゃないか。新人監督と言うよりも若手実力派(と言われている)の集団だけで、価値はあるな。
でも作品の質はバラバラだ。まあそこが短編オムニバスの醍醐味って言えば醍醐味なんだけどね。
望月六郎監督、吉本多香美主演の『Pandora - Hong Kong Leg』が短編として面白かった。エロチックな快楽ってのは10分前後の短編に向いてるんだな。吉本多香美のエロさがにじみ出す演技が作品の良さのほとんどでもあるんだけど、彼女の空気を醸し出した演出も良い。
行定勲の無意味なエネルギーも心地良い。高校生のバカな情熱ってのは、自分の中のバカさと共鳴してニヤニヤさせらる。でもあんな薄いブルマってのはないだろ。見てて嬉しいけど。俺だってずっとあの子を見てるな。
他はまあそこそこで、岩井はまあ岩井以外のなにもでもなくて新しい感じは何もしないし短編で何がしたいのって感じだし、他は消化不良って感じだな。
図抜けて酷かった飯田穣治は、映画監督は止めるべきだと思う。せいぜい世にも奇妙なとかのテレフューチャーの演出レベルの力だよ。演出には力も説得力もないし、脚本も酷い。ナンセンスSFは、もっともっと面白いものだよ。筒井康隆も良く出演したもんだ。彼の短編にはずっと面白くてナンセンスで深い作品があるのに、こんなクソで出来損ないの脚本読んで出演を了解したものだ。時間の無駄。
1,800円払って見る価値のあるオムニバスだとは思えないけど、望月、行定、堤の3作品を見られただけでも良しとするって感じだ。