『男たちの長い旅』

人気男性ミステリー作家逹の短編集。基本的に単行本なり雑誌なりで発表されたものをより集めたアンソロジーなので、何編かは既に読んだ事のあるものも収録されていた。
東直巳 石田衣良 打海文三 逢坂剛 大沢在昌 奥田英朗 北方謙三 戸梶圭太 花村萬月 藤田宜永
あまり新しい人達ではないが、中堅、大御所の作家逹だ。
石田の池袋ウェストゲートパークシリーズの一編。東のすすき野名無し探偵。花村のバイクレーサーの物語。奥田の渋滞を舞台にした巻き込まれ型のドタバタ劇。この四編がお気に入りだ。短い中にも男、を感じさせてくれる。マッチョな男じゃないのは言うまでもない。戸梶もナンセンスで下品で戸梶流のお話としては面白かった。
昔熱狂した北方もあいかわらずの北方節で、すこし恥ずかしい気分もするが捨てがたい。逆に大沢のジョーカーシリーズや藤田のパリが舞台の話は、恥ずかしいのど真ん中で、勘違い(俺から見てね)がイヤな感じだ。他はまあどうでも良い。たまにこうしてアンソロジーを読むのも良いもんだなって気分になった。