「ヴァイブレーター」

寺島しのぶと、男性役者の演技につきる。寺島の存在感は不思議だ。スクリーンの中で普通である事の困難さと自然に演技する事の難しさを軽く飛び越えている。
これだけ道行きに何も事件の起こらないロードムービーを知らない。しかし二人の間に起こる交流と彼女の中に起こるドラマは、道行きの二人に物語りを作り出す。
ラストカットの寺島しのぶの表情は絶品です。
展開の単調さは残念だけれど、それを補ってあまりある役者二人の言葉を聞いてください。