「約三十の嘘」

いわゆるオシャレムービーってやつかい?微妙な出演者に、微妙な空気。嫌いじゃないけど、何も伝わらない。前半は良い空気を画で構成しているのに、後半からラストにいたる一本調子と、チームへの熱い思いは退屈だ。
6人の詐欺師チームが久しぶりの仕事を行い、売り上げの金が消える、そんなバタバタを、寝台特急内だけのシュチエーションで見せる。設定や状況は、ワクワクさせる。微妙な出演者も、期待を高まらせる。でも、このこじゃれた風味の会話の薄っぺらさと、つくりこまれていないシナリオはダメだ。
この状況で、この空気だったら、後半からラストは、洗練された騙しあいの連続で、心地良く観客を翻弄してくれなくてはいけない。中谷も椎名も使い切れていない。原作があったって、これじゃ映画にした意味が無いだろ。チームの熱い思いで共感させたいのなら、この空気は失敗だぞ。
音楽のクレージーケンバンドも、普段は大好きなだけに、こういう映画の中では恥ずかしい。別にCKBファンじゃなくても、恥ずかしいぜ。