「悪霊喰」

想像していた通りの映画だった。
異端とされる宗派の司祭が、破門されたキリスト教信者の罪を喰らい、贖罪の行為を行うシンイーターと対立して、どうなる?って内容だ。WOWOWではスリラー・ホラーの扱いだったけど、違うだろ。宗教映画でも無いし。
ショービズで予告編観て、シンイーター(罪喰い)って存在にかなり惹かれた。あまりにも気になったので、本編を観ないまま罪喰いの設定を転がして、一本シナリオ書いて賞に応募までした。罪喰い+子連れ狼だったんだけど。見事にかすりにもしなかった。
静かな映画と言うか、宗教が身になっていない俺には退屈な映画と言うか、微妙な所だ。派手なアクションも無いし、エロスもバイオレンスも無い。キリスト教と罪と贖罪と言う事柄がリアルに感じられない限り、しっかりと届く事のない映画だと思う。セントペテロ寺院のシーンや造形、ローマでの撮影カットなど画として美しいものはあるけれど、俺には届かなかったな。宗教への共感が無いと、主人公の最後の行いは、勧善懲悪のヒーローの活躍だもんな。腐敗した悪を懲らしめるために、自ら悪に身を堕とす。古典だよ。
最初からそうした観方をしていれば、ヒーロー誕生の物語って事なのか。今気が付いた。でも地味なヒーローだよ。