『うなぎ鬼』

この濃さはなんだろう。淡々と重なる言葉の先にある、濃い重さ。人が落ちていくその樣と、隔離され存在すらも忌み嫌われる街の様子。底辺にある暗さと悲壮さが、主人公の落ちていく姿を通して描かれる。人を殺す事の醜さまでもリアルな小説だ。
うあぎは、どんなタンパク質でも食べると言う、その雑食と悪食の全て、この言葉にある薄気味悪く壮絶な姿こそがこの小説の魅力だ。
黙って読め。