『熱帯』 佐藤 哲也

伊坂幸太郎の帯が決め手で読んでみたけど、作者の文章は俺にあわないな。『妻の帝国』はそれでもソフトで顔の見えないファシズムな話で興味深く最後まで楽しめたのに、この作品はだめだった。ギリシア神話を叙述や設定に引用し、狂騒の熱帯の東京のどたばたを描いているんだけれど、面白さのつぼが合わないので、どうにも納得いかない。水生人ってなんだよ。