『Op.ローズダスト』 福井晴敏

いや〜満腹。福井節炸裂。
くたびれた中年オヤジの復活と、ナイーブすぎて尖ってしまった陰のある少年の再生の物語。バックにはこの国の閉塞感と軟弱で腐ってしまった現状への否定。今回は振りすぎた安易な右翼の否定まで含まれているってんだから、どこに不満が生まれるっての言うのか。完璧です。待ちに待ったかいがありました。ノベライズの『戦国自衛隊』が食い足りなかっただけに、満腹感に満たされています。しかも今までの作品の中で一番の希望に溢れたエンディング。心地良い読書とは、こういうものでしょ。