『消し屋A』 ヒキタクニオ

『狂気の桜』に脇役として登場していた消し屋の、スピンアウトストーリー。可もなく不可もなし、普通に面白い。心に響く台詞も多いし、誰にでもお奨めできる一冊だ。本筋とは直接関係ない、消される対象のホークスの名捕手真壁の父の過去の話や、オカマ三人のドタバタなど、登場人物のキャラクターが光るシーンの連続がお奨めだ。それでもやはり本筋の登場人物逹のキャラクターが直接ぶつかり合って、新鮮な世界で物語が大きく展開する『鳶がクルリと』シリーズには、あと一歩及ばない。惜しい。でも、読んでみて。