『白い不等式』 眉村卓

少年誌向けのジュブナイルは、健全で少しだけ闇の影がある。ガキ向けと割り切らない、当時の作者達の作家としての姿勢のせいだろう。この作品の設定は、60年代の青い青年達の意図が透けて見え過ぎるが、それでも純粋に少年のための物語として面白いのはさすがだ。ほとんどの屑ラノベなんて目じゃない。