『アキハバラ@DEEP』

池袋を秋葉原に変えて、今の若いのを主人公にした石田依良の作品。最近の石田の作品は、可もなく不可もなくか、どうでも良いのが多かったが、これはそれなりに面白かった。『池袋ウェスト〜』の再生産・再利用でしかないって言えばそこまでだし、AIに関する扱いかたやオタクに対する扱い方は類型的で驚きも無い。それでもこの作品に面白さを感じたのは、ドモリの主人公とその友人が、仲間を守るために自分でできる唯一の方法で誇りを持って戦う場面だ。オリジナリティは低い展開かもしれないが、この場面の彼等の闘いには共感を感じ、素直に彼等の心情と行動に共感できた。
こうしたシーンの書き方は、さすが石田だと思わせられる。