「緯度0大作戦」

小学生の時に観て以来、ずっと再見したいと思っていた映画。タイトルすら思い出せずに、ずっと気になってしかたなかった。(まあそれほど真剣に探した訳ではないけれど・・・)id:hoghug:20070205さんのレビューでタイトル諸々知る事ができて、37年ぶりのDVD販売で再見できた。幻と言われる東宝特撮で、俺が観たのはチャンピオン祭り版だった事も、まことちゃんと併映だった事も判明。そうかチャンピオン祭りか。東宝マンガ祭りだとばっかり思ってたよ。しかも同時上映で巨人軍関連の映画もあったようだけど、まるで覚えてないや。野球に興味が無いのはその頃からか。
で映画の内容だけれど、まあ想像の範囲内で見事に收まっていて、満足。荒唐無稽な空想科学映画だ。緯度0地点にあるユートピアと悪の科学者との対決、それに巻き込まれる日米仏の科学者とジャーナリスト逹。果たして正義の緯度0が勝利するのか?マッドサイエンティストが緯度0を倒し世界制覇に着手するのか?深海を走る緯度0の最新鋭潜水艦アルファー号と、黒鯱号(ブラックシャーク号じゃないよ)との一騎打ち。空飛ぶガーゴイル、美女を襲う人体改造された吸血コウモリもどき人類。岡田真澄がフランス人科学者。さえない外見だが世界の命運を握る発明をした日本人の科学者。もう矢継ぎばやに飛び出す、懷かしい匂いのガジェット群が、これでもかと楽しませてくれる。
今の時代にはエンターテインメントとしてどこまで成立するか疑問だが、東宝特撮で少年時代を過ごしてきた俺には、懷かしく楽しい作品だった。スターウオーズよりも前のSF映画なんだもん、どうしようもないストーリーや設定の甘さは大らかでぬるい目で見ていいんじゃない。深海のユートピアや、空飛ぶ潜水艦、飛行服を使った硫黄地獄からの脱出など、驚きを画にしようと言う円谷さん逹の思いを楽しむだけでも価値があると思う。ストーリーから人生への何かや、涙を期待しちゃう方にはお奨めしないけれど、CGやハリウッドなどのリアルを追求する特撮とは違う日本の特撮を楽しめる名作として、俺はお気に入りです。ラストシーンのオチなんて、SFとして上出来だよ。今更サプライズとはいかないかも知れないけれど、娯楽作品をSF
的センスで終わらせる志や良しだよ。このシーンをうろ覚えしていて、もう一度観たいと思っていた自分を褒めてあげとく。