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「ドブの輝き」 大人計画

演劇

宮藤官九郎台本の公演と松尾スズキ台本の公演との2本だて公演。間に映像作品が入る得する3本だての公演。と言っても間の映像作品はどうでも良かった。宮藤のパートは、法廷のみで進む、不具合を持つ者たちの情念演歌を巡る法廷劇で、松尾スズキのパートは、中途半端なアイドルを巡る悲喜劇。WOWOWの放映を録画して観たのだけど、もったいない構成だなと思う。生の舞台ではまた違うのかもしれないが、ライブで熱さを共有してない状態では、どちらも質的に中途半端で、何のための2本だてなのか良くわからない。三つの作品を繋ぐ何かがあれば、別にテーマじゃなくてもいいし、暗喩でも何でもかまわない。根っからの大人計画ファンならいざ知らず、思い入れの少ない客(無料だけどね)からしたら、どちらか一つの作品をきっちりと観せて欲しかった。特に松尾スズキのパートは、1時間半なりにして、松尾スズキらしい、はみ出して底辺に生きる連中の嫌らしさと恨み妬み嫉みをぐずぐずと深めて魅せて欲しかった。グズグズの世界こそが大人計画松尾スズキの魅力なのに、メジャーに飲み込まれた後の作品が、三流アイドルとその周辺の人々のレベルじゃ悲しすぎる。メインストリュームから見放された人々の底辺のその底の世界を、されに糞味噌に投げつけてみせるような舞台が見たかっただけに、残念。宮藤のパートは、まあこんなものでしょ。適度に楽しくて、適度に毒がある。観劇している間は楽しいだろうな。笑いも共有できるしね。シナリオライターとしては好きだけど、演劇としてはやっぱり共感できない。