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「インセプション」★★★★☆

男の子映画だぜ。都合の良い展開だと言う人もいるが、それはもともとのこの映画の魅力には影響を与えない。誰でも一度は考えて何度も創作物で触れた事のある、夢の中の物語を、映像と言う手法を使った体感的な快楽として提供される、これぜ映画鑑賞の快楽だ。
複数の入れ子状態の世界がそれぞれの影響し合い、主人公の内的思考が多層の世界、繋がる人たちに拡散し影響を与える。その関係を説明的にならず、画の力で伝えきる。無重力でのアクションとハイパースローの落下が、こんなにも気持よくリンクして、観ているこちらも多層世界の一部として取り込んでしまう。
観てて心地良かった。
映画館でスクリーンを観ている事自体がすでに、夢の世界にインすることで、その観客の立ち位置すらも考慮したラストシーンは、物理的な夢に限らず、夢見ることフィクションを観ることを貫く不確かさを象徴していた。
俺は、どっちでも良いと思う。考えろでもなく、どちらとも言い切れないそういうもんだって投げつけて終わる潔さだと感じた。
観客である俺たちも夢=フィクションの登場人物として参加している事だって気づかされるだけで良いと思う。
無重力のアクションシーンの極力CGを配した肉体を感じるシーンは、ノーランの想像力の勝利で、このシーンを味わうだけでも十分に価値がある。