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「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

事前に聞いたり読んだりしていた、艦橋などのセットのチープさ、大根な演技、キムタクぶりなど、なんでも受け入れた上で優しい気持ちと眼差しで、映画に接しようと思っていた。キャスティングなんて面白いなと思ってりしてた。
でも駄目だ。酷い。
山崎監督に、演出の素養がまるで無い。特撮や、引用やオマージュ(ぷっ)はすごいかもしれないけど、監督は無理だ。
赤い大地を割ってヤマトが飛翔する有名なシーン、どうやったらあんな呑気な空気になるんだよ。シーンの内容だけで男の子だったら誰でも胸を熱くし、黒煙から姿を現す瞬間にグンってくるはずなのに、ノープランにしか見えないカット割と凡庸な構図、心情を理解できてない場面構成で、非情に残念なシーンになっている。他の場面もみんな同じようなもの。どのシーンも、ただカメラの前で役者や役者もどきが演技させられてるだけの、映画としての面白さが皆無なつまらないカットを積み重ねただけの映画もどき。
白組のCGは、まあ見られるレベルで、CG中心のカットはなんとか構図が持っているくらい。
それに加えて、ヤマトをまるで分かっていない、ヤマトを撮る意味の無い最悪の場面が、沖田艦長が古代に艦長代理を任命するシーンだ。ここで、沖田艦長がリーダーの重圧の辛さを古代に告げる。古代守をはじめとする若者の命を代償としてまでも、地球を救うことを課せられた孤高の艦長が、人を率い、非情な命を下すことの重圧に苦しむのはわかる。けれども、その重圧を次代を託す若者の前で口にせず、孤独の魂で古代達を導き、非情なままで次代に希望を託すからこそ、男のロマン=ヤマトのロマンなんだろ。どうして、弱事を口にするなんて無神経なシーンを作れるのか。山崎監督と、その妻で脚本家の佐藤は、ロマンの欠片も理解できないアホだ。
男のロマンも無い。無限に広がる大宇宙の冒険も無い。浪花節も無い。エロも無い。青い宇宙人もスターシャもいない。これだけ何も無いヤマトって、ヤマトの意味はあるのか?
SF魂を持ってないVFXオタク率いる自称クリエーティブ集団の作る、一般客を2時間ちょいだけ楽しませる目的のためだけの低レベルなイベントムービとしては良くできてるんじゃないのかな。
頭も心も使う必要がない。状況や状態の説明も全てしてくれて、他人の心情や他人の想いを想像できない観客に向けセリフで口にしてくれる、素敵な映画だぜ。