「ゲキシネ 髑髏城の七人」 ★★★★

演劇と映画のハイブリット。
ずっと観たかったのに、なかなか機会がなくやっと鑑賞できた。
肉体の脈動とカメラが切り取るドラマが、舞台とも映画とも異なる体験を提供してくれる。
物語はシンプルで、誰にでも想像のつく範囲内だが、役者たちの汗や吐息を感じさせる存在感が鑑賞の快楽を与えてくれる。
約束事の物語の中で、ディテールの解釈の小粋さや、タメとキメの生々しい演技などを楽しむ、ってのはまさに歌舞伎だ。
その上、舞台に感じる共感とライブ感が、大きなスクリーンの中に展開するさまは他に替えがたい。
キメの見栄や、オーバーぎみな演技も、カメラで割ることのできるゲキシネだからこその心地よさで、例え舞台の最前列に席が取れたとしても、ここまでの決まった感は感じられないかも知れない。
もちろん本当の生ではないので、物足りなさは最後まで微かに残る。でもそれを補って余りあるスクリーンならではの快楽は、何度でも体験したくなる。
五右衛門ロックの最新舞台のゲキシネが待ち遠しい。