「ストロベリーナイト インビジブルレイン」★★★☆

好きなんだよ、姫川と姫川班が。
小説はあまり印象に残っていないけど、テレビドラマの竹内結子が物語と世界にとても強い印象を与えていて、観てる間ずっと幸せな気分だった。
秘められた悪意とか闇って言うには、ちょっと薄っぺらい作りだけれど、チーム、意地と意思、組織の構成員それぞれの価値と関係等が、テレビドラマ的に見えつつも嘘くない強さの質感で、観ている俺の日常を鼓舞してくれる。
「良くやった!」「この山捕るわよ!」のセリフを、恥ずかしも嘘臭くもなくリアルに素敵だと思わせる竹内結子の演技や、登場人物や世界の造形は、胸に響き熱を与えてくれた。
仕事場での今年の目標ひとつを、姫川班的な組織運営にしたくらいだ。
映画は始終降り続ける雨とそれぞれの登場人物たちの心情の顕れが凡庸ながらも印象を深め、丁寧な演出で手堅く纏められた良作だ。
晴天の日に降る見えない雨は、そこに映された人たちは勿論、登場しないそれぞれにも、それぞれの色をもって降り続けるんだろうと感じさせるだけの説得力、少なくともこのドラマ・映画の中での説得力とリアリティーを持つ映画だった。