「ザ・タウン」★★★

被害者とやがて心を交わし、恋に落ちる男。希望のない街や人々の中で厭んでいた生活からの脱出を望む男。
アクションカットでの緊張感と迫力を伝える演出と人を描くときの細やかな演出のバランスが心地よく、鑑賞中とても良い映画に触れていると感じさせるが、先に書いた主人公の男に感情移入できずに、どこか乗り切れなかった。
しかしそれでも、特別でユニークな設定や話ではないのに、この映画のなかで描かれる登場人物たちや世界に最後まで引き付けさせる監督の力は、並みのものではないと思う。
映画を楽しむとはこういう事だと改めて感じさせてくれた。