『その白さえ嘘だとしても』 河野 裕 本 読書メーター

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

 

 物語全体の背景に、静かに存在している様々な白のイメージと象徴するものが愛おしい。混色が望み続ける白。逆に恨んでしまう白。全くの汚れのないそのままで存在している純白。すべてを包むように降り注ぐ白。想いのこもった言葉とともに吐き出される白。……。欠点や欠陥だらけだとしても、変わろうとすることや受け入れることで、奇跡は起こせるし、起こるってメッセージに素直に共感できる。七草や真辺だけでなく全ての登場人物たちが愛おしくてたまらない小説。ちょっと気恥ずかしくさせる事も含めて、好きだ。

 

 

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