「ミケランジェロ・プロジェクト」 俺たち特攻チーム!アメリカが世界の芸術救ってやるぜ

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あらすじ:第二次世界大戦末期、ナチスが略奪し秘匿した多数の芸術品を探しだし奪取するために、米軍に設立された学者や専門家たちの特別チームが活躍する。
 
ナチスに略奪された芸術品と言う点が「黄金のアデーレ」と似ているが、映画としてのテイストはまるで違う。こちらの映画は、基本的にはハリウッドらしいスタームービーで、チーム結成、凸凹チーム員の成長と交流、活躍、悲劇、ヒトラーによる危機的命令発動、象徴となる対象の救出、作戦成功、と王道の展開がそつなく描かれていく。往年のハリウッドのようにある種の能天気さやアメリカ1番の能天気さはないが、正義は必ず勝つと言う本筋は少しもぶれていない。ロマンスも忘れないし、見事にハリウッドエンターテインメントだ。
描かれるナチスや、それに抵抗する人々の様子も、分かり易く、善悪の定義に悩む事もなく、安心して鑑賞できる。
 
ジョン・グッドマンビル・マーレーの演技や、ビル・マーレー演じる建築家の家族からのクリスマスメッセージのシーンやケイト・ブランシェットのインテリパリジェンヌ姿など、興味深いシーンも多いが、いかんせん「黄金のアデーレ」でのヘレン・ミランの演技や、美術品略奪の背景の描かれ方などを観た後では、どうにもこの映画から響く部分が無い。
エンターテインメント映画としては、美術品救出のための素人チームが活躍するという設定で、充分に楽しませてくれるだけに、同じようなテーマを扱った映画が同時期に公開されていたのは惜しい。
逆を言えば、今残っている数々の芸術品を実際に鑑賞できる事の歴史を、硬軟両面から楽しめる良い機会だと言えるかもしれない。
 
あんまり難しい事考えず、優れた役者の演技と、大仰ではなくしっかりとした演出で、映画を楽しみたいって時には良い映画だと思う。