「 殺人犯はそこにいる」 本 清水潔 読書メーター

 

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

 

誰もが読むべき一冊。書店員の熱い推薦のメッセージに包まれたタイトルだけが明らかな文庫Xの企画に感謝。書かれたメッセージに嘘はなかった。北関東連続誘拐殺人事件などの顛末を、調査報道のジャーナリストが自らの行動と調査結果としてまとめたノンフィクション。著者の報道するものとしての真摯な姿に素直に感動し、投げかける現実の醜さと怪しさに怒りを感じ、マスコミや巷のジャーナリストもどきの卑しさに反吐が出た。事件をめぐる事柄も目が離せないが、日本のマスコミの醜態と堕落、それを産んでいる官と視聴者の存在が強く心に刻まれた。