「 ずうのめ人形」 本 澤村伊智 読書メーター

 

ずうのめ人形

ずうのめ人形

 

 一つの小さな都市伝説を巡る、ミステリーホラー。小説・映画「リング」で描かれた、感染し拡大していく恐怖の構造を、論理(すこし屁理屈?)的に解釈しつつ、恐怖をつくる人、ひとの想いの恐怖を描いていく。正直、怖さはあまり感じなかったが、謎解きをしていく過程と、恐怖の根源が明らかになっていく描写は、ほどよいスピード感と牽引力のある文章で、最後まで目が離せなかった。作者のホラーへの強い愛情と過去の体験が伝わってくる良作。