シネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」 舞台 映画 

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「足跡姫」を観劇した流れで、野田秀樹×勘三郎+三津五郎の舞台を再見。

 

金の亡者の棺桶屋の三太が、ひょんなことから義賊の鼠小僧となって年の瀬の江戸の町に小判の雨を降らせる。歌舞伎の所作で、野田秀樹の世界に翻訳されたクリスマス・キャロル

古典芸能としての歌舞伎ではないけれど、大衆芸能としての歌舞伎として、笑って、驚いて、ほろりとさせられ、満足して劇場を後にできる楽しい舞台だった。

 

勘三郎野田秀樹がタッグを組んだ歌舞伎としては二作目。

二人は盟友として楽しく舞台を作っていったんだろうなと思わせる。

歌舞伎座の回転舞台とセリの機能を存分に活かしたセットの中で、勘三郎がところ狭しと駆け回り、野田秀樹が取り付いたかのように喋り捲る。鳴物は赤鼻のトナカイを三味線で演奏する。

観客が普段の歌舞伎とは違う反応をしている様を楽しみながら演じ続ける勘三郎の表情。

野田秀樹の才能と勘三郎の歌舞伎への想いが、がっぷりと組み合って、観客を巻き込んで奇跡の舞台を作り上げているのが、画面越しでも伝わってくる。

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町民を演じる脇の役者達も普段のその他大勢とは違い、舞台の一員として生き生きと演じている。野田秀樹勘三郎の熱が周りにも感染してる感じが観ていて気持ちよい。

生の舞台を見たかった。

 

歌舞伎では普段行われないカーテンコールに野田秀樹の姿は見えないが、勘三郎のすぐ隣に立って、にこやかにしてやったりと笑っている様が目に浮かぶ。

舞台の楽しみにあふれた素晴らしい体験だった。