『新橋アンダーグラウンド』 本橋信宏 本 読書メーター

新橋アンダーグラウンド

新橋アンダーグラウンド

 

 新橋は通勤で毎日のように使っている。歩く度に猥雑だなと思いながら、妙に愛着も感じていた。この本を読んで更に街への気持ちが深くなった。サラリーマンだけでなくあらゆる階層の人たちが、それぞれの理由と作法で集まっても違和感のない懐の深い場所なんだな。綺麗で合理的なだけの街にはない、魅力がここにはあるし、そこを通る過ぎている/いった人たちの生々しい姿が刺激的だ。計画的に造られた建前だけの新興都市では絶対に味わえない。人は根っから猥雑なのだと都市に教わる。それにしても映画会社東活の事は一切知らなかった。不覚だ。