『パシフィック・リム アップライジング』 映画 おたく第一世代のおやじ、これじゃない感に涙する
前作の胸熱を期待して初日に鑑賞。
ロボット・バトル・ムービーとして、良くできてはいるけれど、残念ながら個人的にはのれなかった。
どんなアニメや特撮が好きかによって評価が大きく異なる映画だ。
おたく第一世代の俺には洗練されすぎていて、熱くなるポイントがなかった。
シン・ゴジラのヤシオリ作戦、エヴァの白い悪魔量産型の強襲、ナイフのようなスマートな機体、パトレーバー/マクロスっぽい顔やスタイル、ガメラのレギオンクラスター等など、イエガー関連の描写はエヴァが若干多いが、様々な作品からの引用も多く、気がつくとにやりとはさせられる。
でも再現がスマートなだけで、こちらの胸を打つような熱さが一切感じられない。
前作のダサさや、ぶかっこうさの根っこには、熱い思いが滾っていて観ていて胸が熱くなった。それが『パシフック・リム』の魅力の大きな要素の一つだった。
決めのポーズや、必殺技の叫びのダサ格好良い感じだ。
浪花節なストーリーも7〜80代っぽい王道の物語で、神風特攻にカタルシスを感じると言うあの頃のアニメ的だった。
今回の『アップライジング』は若者の成長の物語で、今時の学園ベースアニメなどではありふれているかもしれないが、映画としての物語の興奮を俺には与えてくれなかった。
ゲッターロボ、ヤマト、ガンダム、ゴジラ、ガメラがおたくのきっかけだったのか、エヴァ、OOあたりから好きになったのか、それで受ける印象が大きく異なるなと思う。
監督のスティーヴン・S・デナイトは間違いなくエヴァが好きで典型的なアメリカ在住のアニメ・特撮おたくだろう。デル・ロトの極めつくしたマニアック心こそが特殊だったんだと改めて思わされる。
今のアニメ、特撮好きの10代、20代には、この映画はどう映っただろう。
まあ、どうでも良いが。
『トランスフォーマー』の新作だと言われても頷いてしまう。昼の明るい光の中でのイェガーの戦いのCGなど前作以上にアップライジングされたクオリティは、素直に評価できるが、映画を観るってのは技術を観賞しに行くわけじゃないので、それだけでは映画としての魅力は感じられない。
なんだか、有名無名問わず映画ブログですでに書かれている事の繰り返しになってしまったが、それくらいしか言いようのない映画だったって事でご勘弁を。