『宇宙ヴァンパイアー』 コリン ウィルソン 本 読書メーター

宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫)

宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫)

 

 

非Aのヴォークトや初期のディックを読んでいるかのような感触。ガジェットやSF的設定や展開は両者の方が強いけれど、肌触りがなんとも似ている。語りたい何かがあるようでなくて、ないようであって、理論的なようでいてどこか大雑把な所などだろうか。思想的、哲学的な何かを深く共有や共鳴するわけではないけれど、エンターテイメントとして最後まで飽きさせない、B級の勢いが面白い。精神のヴァンパイアーが暗喩する人間の有り様を考えようとしても、美女との絡みがエロすぎてどうでも良くなるのが素敵。