2017-01-12 「炎の回廊: 満州国演義四 」(新潮文庫) 読書メーター 本 炎の回廊: 満州国演義四 (新潮文庫) 作者: 船戸与一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/12/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 二・二六事件や利権の鍔迫り合いなど内地での政変が、満州に更なる激流を産んでいく巻。「天皇は日本人が作った最高の虚構」と言う言葉に考えさせられる。虚構であるか否かではない。そうと考えながら尊皇を口にし、実際には政に利用する関東軍将校達の有り様にだ。己の利のために、錦の旗を言い立てる醜悪な様は、今の日本人も変わりない。 物語の始まりが白虎隊だった事、明治維新に根を持つ事の現れとして、薩長閥の事がさり気なく語られる。普段あまり言葉にはされないが、当時から今現在まで、薩長の権力志向や利権等が落とす闇と影は深い。