『池袋ウェストゲートパーク4 電子の星』 石田衣良

誠ちゃん最高!俺の中では、日本史上最強のネオハードボイルド。ドラマはコメディ色のハードボイルド。別物だけれど熱さは繋がっている。
誠のクールになりきれない熱さと、ストレートな想いに熱くなる。
東口ラーメンライン」一杯のラーメンが文字どおり人を救うこともあるのだという平凡な事実。SPドラマの設定の一部を小説が拝借したラーメン屋が舞台。双子の兄弟が熱い。泣いた。
「ワルツ・フォー・ベビー」許す者と許される者では許すほうが圧倒的に強い。ジャズタクシーの運転手のオヤジに泣いた。矜持のある男ってやつは、いくつでもどんな格好をしていても熱い。泣いた。
「黒いフードの夜」だって尊敬できる人間かどうかは、そいつがもってる金や髪の量にはなんの関係もないからだ。誠ちゃんは子供とからむと特に良い。子供でも大人でも同じ姿勢で接して、自分の足で立つ事を促す。泣いた。
「電子の星」いつだって誰かが自分の足で立ちあがる瞬間を見るのは胸がすくものだ。痛い。乾いた文体は、こういう話にこそ効果的だ。負け犬は、かっこ悪いけどかっこいいぞ。