2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『ヤクザリセッション』

「華氏911」もそうだけれど、触れている瞬間に怒りと絶望を感じながらも、何もできない何もしない、手段を持たない自分を嘆く。が一瞬だけの事で、すぐに目の前の事に気を奪われてしまう。政治の季節を期待している訳でもないし、学生運動は肯定的に捉える事…

「ビッグフィッシュ」

素敵な映画だ。社交性が高く人々に愛されてきたほら吹きの父と堅実を持とめる堅い息子との交流の物語。 父の語る物語のどこまでも素敵な事よ。映画ってこういうものだよな。 父の物語を引き継ぐ息子。その息子。俺も何かを引き継ぐような存在を持ちたい。

「ヴァイブレーター」

寺島しのぶと、男性役者の演技につきる。寺島の存在感は不思議だ。スクリーンの中で普通である事の困難さと自然に演技する事の難しさを軽く飛び越えている。 これだけ道行きに何も事件の起こらないロードムービーを知らない。しかし二人の間に起こる交流と彼…

「ミスティックリバー」

ショーン・ペン、ケビン・ベーコン、ティム・ロビンスの三人の役者は完璧だ。そして監督のクリント・イーストウッドの演出も冷静でどこまでもクルーで完全だ。 原作にあった岬、通りを一つ挟んだ先の貧富の差(といっても同じ底辺の世界の中での差でしかない…

2004年最後

今年最後の更新です。 訪問者の皆様ありがとうございました。 2年連続の独りで過ごす年末年始。すっかり馴染んでしまいました。ただ年末だから年始だからと言う気分が一切無く、普通の休日として過ごしています。 今年は牛すじ鍋をするために、朝から仕込み…

「閉ざされた森」

オファーがあればどんどん出演する印象のサミュエル・ジャクソンとジョン・トラボルタ。冗談だけれど、多作な二人。まあ可もなく不可もなくな映画。退屈じゃないけど、それで?シリーズものにしたいんでしょ。するつもりでしょ。思わせぶりな8も、大した事…

「ロスト・イン・トランスレーション」

面白かった。俺としてはホテル映画と呼びたい。旅先のホテルでのやる事のない退屈とホテルステイを描いた映画は他にない。ほのかな恋心は旅先だけで体験できる浮気心だし、普段と違う感触で進む時間の感じが良く伝わってくる。五つ星の最高級ホテルに泊まっ…

「華氏911」

字幕無し版を観てから数ヶ月ぶりに、吹き替えで観た。 やっぱりこの手の映画は、しっかりと言葉の意味を聞き取れないと真意は伝わってこない。まあ映画から日本語に翻訳されているいる時点で変化してしまったりこぼれてしまっている部分もあるんだろうけど。…

『呪い人形』望月諒子

『神の手』以降のデビュー三部作の最終作。密度の濃さはデビュー作が一番だけれど、この作品でも人の心理の奥にある欲望とどうしようもない物事を書き上げようと言う姿勢は薄まっていない。 作品については三作全てを読んで欲しい。損はしない。 この文庫の…

『雪虫』堂場瞬一

う〜ん。読んでいる間は熱中して作品の世界に引き込まれ、主人公に感情移入できているのに、読み終えて扉を閉じたとたんに、何も残らない。事件の解明と刑事としての生き方に、家族の問題を絡められてもな。家族の問題が終わった後の、第二作、第三作を読ん…

『魔王』伊坂幸太郎

講談社の文芸雑誌「エソラ」に掲載された長編。 作者には珍しく、周囲にある悪意を分かり易く真ん中に置いて物語りを紡いでいる。キングのデッドゾーンを意識した構成だけれど、ここに書かれている物とキングとは別なものだ。 作者のいつもの軽妙な口調は健…

イブ

どうでもいい。まあ浮かれる回りに、ミーハー気味な気分はちょっと浮き足立つが、それでも大した思い入れもない。 バブル絶頂期には、銀座のヨットクラブでダイニングクルーズ、高級ホテル、薔薇の花束なんて事もあったけれど、商業主義ばりばりの見え見えイ…

契約しました。マンション。今住む所から約五分。環八はさんでちょうど線対称。70平米弱の2LDKは、今の中途半端な立場にはちょうど良いかな。 離婚して1年。一人暮らしもすっかり馴染んで、新しい彼女も・・・なんて考えていたら今は二人暮らし(結婚はして…

忘年会

数年ぶりの奴も含めて久しぶりの飲み会。何を話したかは良く覚えていない。って言うか覚えているけど、ここで書くような事でもない。すっかり大人になってるんだよな。もう十年も前から続く会なんだけど、今ではすっかり棘がなくなっている。俺は嫌だな。も…

『火の粉』雫井修介

まあ文庫で充分か。けっして駄作じゃないけれど、登場人物の誰に共感すれば良いのか、よく分からない。アイデアは面白いし、設定もこなれているけれど、二時間もののドラマのような印象はぬぐえない。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20041214/eve_____kok_____000.shtml おもしろすぎる。餌付けされたサルか?”餌”を投げる中国人観光客の底意地の悪さと言うか、傲慢と言うか、その姿も怖いって言えば怖い。

『The Wrong Goodbye ロング・グッバイ』矢作俊彦

『虚貌 上・下』雫井修介

『反社会学』パオロ・マッツァリーノ

『レテの支流』早瀬乱

『迎え火の山』熊谷達也

『午前三時のルースター』垣根涼介

『ワイルドソウル』と同じ熱を持っているが、まるで違うミステリー。適度な軽さが、ざらついた触感と熱さに適している。

『ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ』滝本竜彦

これについては別に書きたい。

『6スティン』福井晴敏

サイン本ゲット。

『水の迷宮』

優しい心持ちでページを閉じる事ができるミステリー。推理を中心にした物ではないし、状況もけっしてしっかりできているわけではないが、この小説はこの世界でしか成立しない。探偵もどうでも良い。主人公と影の主人公が目の前に広げてくれる世界が全てだ。…

『バッテリー』『バッテリー2』あさのあつこ

児童書と言うカテゴリー分けがもったいない。主人公はもちろん、脇役一人一人がしっかりと存在していて、しかもそれぞれの生き方が強く胸に迫る傑作。いまさらだけど、誰にでもお奨めする素敵な本だ。主人公の芯に触れ、震える。

「ゴジラVSへドラ」

やたらと子供っぽいゴジラの動作にむかつくが、社会問題を底辺に置いて70年代サイケのディスコシーンを再現して全身ペインティング(風)の美女を踊らせるなど、小技が効いた佳品。途中で挿入されるアニメカットなどは、今を先取り??ハハ。 一番好きなゴジ…

この一月の間に抽選に外れ一度はあきらめたマンション。まあクルマのローンも支払い2度しかしておらず、過去に傷のある身としては諦めモードで、せめて引越をと思っていたら、急展開。 どうも最初に目をつけていた物件がどうにかなりそうだ。流れってのは知…

一月も書いてないと、すっかり日記への意欲が薄れてしまう、と良く書かれているが、まったくその通りで、仕事だの私用だのでバタバタとすぎていき、気が付いたら二時だの三時だのになってしまう毎日が続くとすっかり日記なんてどうでもよくなる。それでも頭…