2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ローガン』 映画 そして、父になる

ローガンの物語が終わった。 10年以上に渡り彼の姿をスクリーンで観てきた私達は静かに彼を送るしかできない。 彼の最後の物語が、守り抜きたかった『父』と守り通した『娘』と共にあった事が嬉しい。 R指定の過激な描写のアクションシーンも多いが、観終わ…

『東京難民 (上)(下)』 福澤徹三 本 読書メーター

東京難民(上) (光文社文庫) 作者: 福澤徹三 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 主人公の転落の姿は、そのまま私の姿だ。上巻の些細なきっかけで『普通』から外れ芋づる式に堕ちていく姿、最悪な…

『郵便屋さんちょっと2017 PS. I love you』 舞台 つかかどうかは関係ねえ こともないか

新宿 紀伊國屋ホール。 つかこうへいの戯曲とエッセイは、80年代10代だった私の身体の一部だった。 つかこうへいと栗本慎一郎と村上龍で、自分の身体と思想はできていた。何かといえばそう口走ってた。 自意識過剰でニューアカ、サブカル気取りの、田舎の嫌…

『戦争で死ねなかったお父さんのために (1979年) (新潮文庫)』 つかこうへい 本 読書メーター

戦争で死ねなかったお父さんのために (1979年) (新潮文庫) 作者: つかこうへい 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1979/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 舞台『郵便屋さんちょっと2017』観劇に向けて再読。10代の頃、自分の体(頭・言葉)は、…

『さくらの唄(上)』 安達 哲 本 読書メーター

さくらの唄 文庫版〈全2巻〉完結セット【コミックセット】 作者: 安達 哲 メディア: コミック 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 基本的に漫画はレビューしない事にしているが、この本は読んだ事を記したい。下巻の展開の予兆はあるが、何…

『メッセージ』 グレイなんて人型してるだけ、どれだけマシか?!

不思議なテンションの映画だ。 爆発シーンは一度しかないのに、最後まで飽きず目が離せない。 予告編を観た人たちの中一部の人が地雷臭いと感じるのが納得できる、静かながらも知的な興奮に溢れた理屈エンターテイメントな映画だ。 異星人とのファーストコン…

劇団イキウメ 『天の敵』 演劇 東京芸術劇場シアターイースト ごま油香る、食欲と脳味噌を刺激する舞台

劇団イキウメ。 徹底して菜食にこだわる料理家とALSにかかった余命5年のジャーナリストとの会話の中から浮き上がってくるのは、料理研究家の驚くべき遍歴。彼は122歳だった。健康によい完全食とは何なのか。 冒頭の料理番組収録シーンで、牛蒡の金平と入り豆…

『ボラード病』 吉村 萬壱 本 読書メーター

ボラード病 (文春文庫) 作者: 吉村萬壱 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 不快ではない。薄気味悪いのだ。満面の笑顔のすぐ裏側に、どす黒い本性が滲み出ている瞬間を目にする気色の悪さだ。…