2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『シェルター』三津田信三

感想無し。俺にとって何の意味も無い本だった。心に響く登場人物も、シーンも台詞もフレーズも無い。トリックも、あそうですかレベル。パズラーとしての興奮も無い。伏線の巧みさや作品としての計算の確かさは認めるが、扱っている内容がどうでも良いのだか…

『宗教が往く』松尾スズキ

ストーリーなんてどうでも良い。壮大ではないが、哀しい恋愛小説。ただし、「愛」を正面から扱っているわけでも、語っているわけでもない。稀代の恥ずかしがり屋で照れ屋で、自意識過剰な作者がストレートに愛など描く訳もない。 松尾(作中の私)とカオリと…

なかなか仕事の流れが止まない。忙しいと嘆いて同情をかったり、自分が必要とされている人間だと周囲にアピールする気はない。 忙しい、忙しいと頻繁に口にする人間の多くの、あの醜さってのはどうだ?気色悪い。 静かに淡々と数ある仕事をこなし、気を抜い…

暑さに感性が鈍り、今は何もかもがどうでもよい気分だ。 これで湿度のない気候なら、前向きなどうでも良さなんだけれど、じっとり湿った空気のせいで鼠色のどうでも良さだ。 せんべい布団にシミーズのまま横になり、乱れた裾を気にすることもなく、どうとで…

ソファの上でうたた寝のつもりが、気が付けばだらしなく朝まで寝ているうちに、誕生日の朝を迎える。あ〜もう40も近づいたんだな。30の後半になった事を改めて実感した。 仕事だらけの誕生日だったので、感慨深いものが特にあったわけではないが、良き後輩逹…

アニマックスでロボットアニメ30時間連続放映。すごいね。フジの27時間テレビなんて目じゃない。新しいロリ色やオタク色の強いアニメはどうでも良いが、ガキの頃に見たアニメをもう一度見る事ができるのが、どうにも嬉しいな。 「キャシャーン」「ジーグ」「…

仕事あがりの打ち上げ。男31人、女っ気一切無し。 体育会系だけれど、なんだか新鮮で気持ちが良い。適度な疲れと共有した目的からの開放、ついでに暑さのおかげでビールが旨い。打ち上げのなんたるかを思い出させてくれた。沸き上がる大きな笑い声がここち良…

「世界の中心で、愛をさけぶ」

小説は、クソだ。読まなくても分かる。おかげで表紙にイメージ写真を使った装幀の本の印象が悪くなった。 映画は、行定勲で行かねばと思いながら、気恥ずかしくて行けなかった。 で、ドラマなわけで、堤演出を見逃す訳にはいかないと、ついで気分でやっと第…

15年来の先輩と深夜まで痛飲。面白かった。なんの得もあるわけじゃないのに有意義な時間だった。 年を越えた似たもの同士と言ったら、元上司現先輩に怒られるか。喋りとシンクロした俺の手の動きのオリジナルは、この先輩だ。 年齢を聞いて驚いた。すでに五…

『川の名前』川端裕人

『The S.O.U.P』や『竜とわれらの時代』のような話とは、少し趣向の違った青春小説。『夏のロケット』の少年時代のパートと作者のもうひとつの顔、ノンフィクションライターとして追いかけてきたペンギンや自然の話が一つになった、気持ちの良い作品だ。実際…

『蒼穹の槍』陰山琢磨

ノベルズらしい、近未来軍事社会スリラー。架空戦記ものでは有名な作者らしいが、知らなかった。専門用語や軍事用語を使いながらも、マニアックにならずに適度に抑えられた筆、てんこ盛りに詰め込まれたアイデア。そのアイデアもリアリズムを壊さない程度に…

「野獣降臨 のけものきたりて」野田秀樹

先日の劇団印象つながりで購入した夢の遊眠社DVDボックスの一つ。 もう15年以上前のものだったんだな。バブル真っ盛りで、小劇場ブームだった当時を懷かしく思い出す。 役者の体が舞台の上を所狭しと動き回る。踊り、叫び、笑い、演技する。舞台の演技とは運…

BMWのX3、試乗して本契約して来た。 嬉しい。親ばかになるように、車馬鹿になってブログを立ち上げてしまいそうな勢いだ。 走る、曲がる、止まる。この基本でこんなに気持ちよいなんて、この快楽を知らずに過ごしてきた数十年は本当に無駄な時間だった。北方…

『ワイオミングの惨劇』

トラヴァニアンの十数年ぶりの新作。熱心なトラヴィニストではないので、心待ちにしていたと言う程でもないし、『夢果てつる街』も良く覚えていない。 現代のウェスタンとして、興味深い作品だった。 クリント・イーストウッドが「ペイル・ライダー」で総括…

『神の手』

オンラインで当初発表された小説の文庫。書く事に取り憑かれた一人の女性を巡るミステリー。小説を紡ぐ事の狂気を受け入れて生きた女の姿が、静かに壮絶だ。エキセントリックであるわけではない、狂気を肯定して受け入れた人間の緻密な描写にぐいぐいと引き…