2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『アリスへの決別』 山本弘 ★★★

常識やカルト、とんでも科学などに関する話が中心の短編集。「リトルガールふたたび」2ちゃんなどの匿名ネット発言の、無責任な暴力と無脳化をめぐる現在進行の静かな恐怖とデストピアな未来な話が秀逸。俺にはちっともデストピアには見えない。こんな世界に…

『遠い響き』 藤谷治 ★★

藤谷節が冴え渡る物語。どうやって紹介して良いか分からない今時のナイーブな青年の受難(主人公的には)らしき半生のお話。

『NOVA2 書き下ろし日本SFコレクション』 大森望編 ★★★

この『NOVA』と早川の年刊日本SF傑作選の2シリーズのおかげで、ここ最近日本の良質なSFに沢山触れられるのが嬉しい。昔筒井康隆が徳間文庫で刊行していた年刊日本SF傑作選を思い出す。ページめくるたびにワクワクするSFの面白さを教えてくれた、あの本たちと…

『量子回廊 年刊日本SF傑作選』 大森望・日下三蔵編 ★★★

『獣の樹』 舞城王太郎 ★★★★

心地良い疾走感。馬から十四歳くらいで産まれた僕がめぐる、名前と物語と世界と蛇と邪悪と樹木のお話。馬の駆ける疾走感が、様々な思想を超えて脳内を駆け巡る。

『代行返上』 幸田真音 ★★

著者の潔い問題意識がよく伝わってくる。小説として読ませるか否かでいえば、普通の文章で、あまり面白み感じられないのは事実だけど、真摯な問題意識と正直な危機感は読後の爽やかさにつながってると思う。

「カラフル 実写版」 ★★★

森田芳光脚本の実写版も以外と面白かった。 人の心の多層な彩りと、関係の中で交わる色たちの変化を少しだけコミカルに提示して、僕の決着で物語を終わらせる森田版。 決着の後の姿も描き、普通に生活することの先にある地続きの希望を語るアニメ版。 どちら…

「カラフル」 ★★★★

「GIジョー」★

「BALLAD 名もなき恋のうた」 ★★★

ヤバい。アニメ版が大好きで、湖でのラストシーンで号泣した俺が、この実写版でも号泣してしまった・・・。 映画観てると、しんちゃんの話が先行して思い出され脳内で変換され先に涙が流れてしまう・・・。 新垣が演じた凛姫の、凛とした姿や様子は実写なら…

「蛇にピアス」★★★

下の凛姫とはまるで別次元の女子の話だが、吉高演じる主人公の姿がそれだけで一本の映画を成立させてしまう。原作の刺激的な設定も途中から当たり前に感じられてしまうが、吉高の存在感で最後まで緊張感ある物語がに魅せられていく。

「インセプション」★★★★☆

男の子映画だぜ。都合の良い展開だと言う人もいるが、それはもともとのこの映画の魅力には影響を与えない。誰でも一度は考えて何度も創作物で触れた事のある、夢の中の物語を、映像と言う手法を使った体感的な快楽として提供される、これぜ映画鑑賞の快楽だ…

「瞳の奥の秘密」★★★★☆

知らなかった傑作。日曜の夜の回ですら半分以上の席が埋まっていた。 スペイン=アルゼンチン制作で、2010年のアカデミー外国映画賞受賞作。 25年前に起こった美人教師のレイプ殺人事件を巡る、主人公とその上司である判事事務所の女性、被害者の夫、そして…