2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『アメリカの半分はニューヨークの場所を知らない』 町山智浩  

『東京デッドクルージング』 深町秋生

良いね。底辺の男たちが、底辺の首都東京を逃げまくる。 底辺は底辺でしか生きて行けない無情と、日本の閉塞感が良く出ている。 最後に希望が残るけど、そんなものはいらない。下流は下流で生き抜くってことは希望になるはずだ。 俺だって堕ちたら、這い上が…

『モテたい理由』 赤坂真理

『ケータイ小説的。』 速水健朗

面白い考察。ヤンキー文化の復活ね。 結局人は、アホなままってことかね。自分は違うんだと思うんだけど、これだけ携帯小説が流行り、糞邦画があたり、テレビがアホになり、ミニバンが町中に溢れ、エンタの神様が視聴率を上げ、新しいスポットに人が並び、携…

『さよなら渓谷』 吉田修一

『ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー

静かな終末の物語。 最後に訪れる静かで微かな希望が、物語に触れる喜びを示してくれる。 ただ静かすぎるかも。

『ブロードウェイの戦車 1、2』 矢作俊彦・司城志朗

矢作は良いよね。男だよ。やせ我慢しても何かでありたい。 それを思い出させてくれる。 それにしても忠臣蔵だなんて気がつかなかった。

『覇者と覇者 歓喜、慚愧、紙吹雪』 打海文三

未完の傑作、ついに終巻。 期待に違わぬ大傑作。この3巻をきっちりと語る言葉を俺は持っていないけど、この作品は、読むことでしか共感できない何かを持っている。 終巻なだけに、諸々と決着をつけなければならない点が気になるが、登場人物の一人ひとりがこ…

『もし、私があなただったら』 白石一文

なんだかだんだん登場する女性が都合良くなりすぎてないか? 「もし、私があなただったら」そんな風に問われたいのは確かだけど・・・。

『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』 梶尾真治

『グレート・ギャツビー』 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳

何回読んでも、ずしんと胸に響く。 狂乱と過剰な豪奢さの影に隠れた、男の悲しい性。 夜明けの海岸で対岸の灯りに両手を広げるギャッツビーと、過剰に道を外れずれて行くギャッツビーが同一な人物だと言う点が、狂おしいほど身に響く。 ここまでの恋を胸に抱…

『光車よ、まわれ!』 天沢退二郎

「電脳コイル」のもとネタらしい。がそんなこと関係なくジュブナイルとして傑作。 勝ち気な同級生の女子、秘密を追う仲間。ライバル。日常に隠れていた非日常のイリュージョンが圧倒的なイメージで展開される。 少年は困難を乗り越えて、少女の心に近づき、…

『ファイナル・ゲーム』 黒武 洋

『ゲーム』風サバイバル小説。なんの捻りもありません。 モラルを超えるのが作者の良いとこだったはずなのに、見る影も無し。

『さまよう刃』 東野圭吾

『聖女の救済』 東野圭吾

まあ、ガリレオは映画になったし、今書くならこんなもんでしょ。 普段の東野のレベルはこんなもんですよ。つまんね。

『偽女王』 水無月詩歌

『ハローサマー、グッドバイ』 M・コーニィー

リリカルな青春小説でありSFとしてきっちりと物語を終わらせる、良くできた小説。 好きだな。

『粘膜人間』 飴村行

すげー。ホラー小説大賞は、こういう作品がでるから目が離せない。 戦後風の世界で、粘膜人間=河童と奇形の小学生との対決って、どうよ。脳が半分以上無くなった小学生が妖怪と女を襲いに行くってどうよ?その女が拷問で気が狂ってるってどうよ? 最高。

『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海

サイコパス視点で連続殺人を描いているのが新鮮。しかも主人公の心情は正当で一見共感しやすそうな罠。どこかかにある違和感も、ロジックの中では気がつきにくい。 最後まで主人公に共感して読み切ってもそれはそれでありか。

『ハーモニー』 伊藤計劃

『惨殺器官』に続く傑作。わざわざラノベ風の名前を主人公につけなくても成立する話なのに、あえてあんな名前をつけた作者に拍手。 理想郷そのものをディストピアとして描く、病人でしかだせない視点。 閉塞感、十代なら誰でも抱き、大人になっても特別だと…

「人のセックスを笑うな」

何、この空気。不思議。映画的な快楽だね。 「画」がすごい。演者の自然風な空気と、奥行きと横に広がる構図、カメラが切り取り空間に隙が無い。 永作の演技はいつもどおりのようでいて、この映画に限りないリアル感を与えている。 鼻歌を歌いながら画面奥に…

「ザ・マジックアワー」

気持ちは分かるし、やりたり事や世界は理解できるけど、空回り。 三谷は映画は向かない。 最後の「どんでん返し」のエピソードもどこか安っぽい。舞台ならおもしろしんだろうな。

「口裂け女」

「転々」

三浦友和が全て。小技も押さえ気味だけど、その分ロードムービーとして奇跡的にまとまっている。この監督の映画は、どこかいつも乗り切れなかったけど、この作品は、心底楽しめた。 疑似家族のくだり、カレーの晩餐、最後の散歩にいたるまでの流れは、他に替…

「ブラインドネス」

「Wall・E/ウォーリー」

すごい。 感情を持たない主人公が感情を模倣しようとして生きていく様、異性とコミュニケーションをとりたいと思う想い。言葉無く、演技だけで観客に共感を持たせる映画作りは神業。 http://www.cafeopal.com/reviews/2008/12/13-203133.php#more ↑こんな見…

「お姉チャンバラ」

くだらなすぎて、ちょっと愛しい。 でも主人公のお姉ちゃんがブスじゃ意味ない。スタイルは良いんだし。もっと口角のあがったキツメの美女はいなかったのか?サブのお姉ちゃん(お母ちゃん)はスタイルが良いんだけど、その銃は何? チャンバラも銃撃戦も好…

「悪夢探偵」

ディテールは良く考えられてるけど、hitomiな時点で? まず音声のバランス悪すぎ。邦画のDVDの中でも最悪じゃないか? イメージは豊潤でディテールが良くできているだけに、惜しい。一般公開を意識しずぎ、製作委員会形式の限界?

「HOSTEL」

おっぱいとショッキング風な描写、ついでに優等生な伏線と回収。良くはできてるけど、痛くも怖くも無いってのは致命的だし、エロさがエロになってないじゃん。 もっとエロが濃くて、痛みが伝わる怖さじゃなきゃ。優等生の作劇は偉い。

「ラスベガスをぶっつぶせ」

面白いネタなんだけどね。カウンティングの詳細が説明されず、ゲームが進行しても感情移入はできないでしょ。 手に汗握って、主人公と一緒に難関を乗り越えたいわけですよ。