2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧
2010年最初の1冊で、今年のベスト1が決まった気がしたほどの傑作。邪なる犬の力を持って正義をなす主人公、墜ちていく自分を意識し罪を感じながらも、最後の一線で自身の中の倫理を信じて行動する。しかしその倫理を持った行動も、人を傷つけ薄汚れた世界を…
中学生の読書感想文集のような本だった。たしかに生きる技術は本から学ぶべきだ。読書はかならずし物語を楽しむだけのものでもない。しかし、良き事や生きる指針を学ぶだけが読書の快楽じゃない。現実には触れることができない、実社会では功名または常識で…
伊藤計劃の熱いあとがきを読むだけでも価値がある。本当に惜しい作家を失ってしまった。優等生的でなく、書くことをここまで真摯に捉え、作品として纏める日本の作家は少ない。作品もそうだが、あとがきやエッセイに垣間見える人としての伊藤計劃の魅力が他…
ええ、泣きましたよ。坂本の本はずるい。分かりやすく、でもあざとらしくならずに泣きのツボを刺激してくる。
『ラスマンチャス』の平山が帰ってきた!最近の良い話も良かったけど、やっぱりこの不思議でグロテスクな世界は、他に代えがたい。
粘膜シリーズ(?)相変わらずドロドロでグチュグチュ。前作の方がより理不尽で不整合な世界、物語だった。その分蟷螂の方が読みやすい。嫌な気分になりたい時にぜひ手にとって欲しい。
長谷川敏司「地には豊穣」、秋山瑞人「おれはミサイル」が特に面白かった。
こういう小説が賞を取るようになってはメフィスト賞もそろそろおしまいだ。
期待を込めて読んだだけに、物語の踏み込みが足りないと感じた。テーマを読ませる小説だとするなら、もっと踏み込んで安易に逃げないことが必要だと思う。
デビュー初期の頃のような、爽快で気持ちの良い作品。物語よりも主人公の少年と父親たちの会話をいつまでも読んでいたい。前半の多恵子が最高!彼女と主人公のやりとりは何度読んでもニヤニヤさせらてしまう。読書中彼らのやりとりを観ているだけで幸福にな…