『九杯目には早すぎる』 蒼井上鷹

小説推理新人賞を含む短編集。バーや居酒屋など酒場が必ず一度は出てくるライト推理小説?かならずしも酒場が舞台になるわけではないけれど。
バーを舞台にした短編・中篇なら掃いて捨てるほど、いかした傑作の多い分野だけれど、ハートウォーミングでも日常の謎系でも無いのは新鮮だ。ちょっとした悪意や小市民的な卑しさや心理が良く出ていると思う。でも、こうぐさりとフックになってこちらに迫ってくるものが無い。さらりと読めてそれでお仕舞いと言う感じだ。出張の移動中飛行機の中で読んだので、最適な状況だった。