「愛 アムール」 ★★★

夫婦の終の姿を、生々しくそのままの形で目の前に静かに示して見せる。
目を逃せられなくて、隣に座る相手の事を考えざるを得なくて、自分の老いを直視せざるを得なくて、とてもストレートに迫ってくる映画だった。
ストーリやシュチエーションに目新しいものはないだけに、細部の積み重ね、役者の生さ、演出の的確な押さえかげん、全てが伝えたいことに貢献してる、地味で寡黙だけれど、その分余韻と傷を残す、静かな佳作。