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「DRIVE」★★★★

映画

静かな男が、唐突に露にする暴力。映画全体を象徴するような、駐車場へ向かうエレベータ内のシーンに魅せられた。
一瞬前に唇を通し触合い気持ちを伝えたはずながらも、主人公と女性との間に流れる埋まることのない隔たりの空気。断ち切りように閉じるエレベータのドア。諦めと寂寥を抱きながらの切ないキスから瞬発の暴力への移り変わり、止まることなくエスカレートしていく暴力性を淡々と描きながら、そこにヒロイックな空気は一ミリも存在しない。痺れた。
ストイックともまた異なる静かな男のありようと、内に存在する過剰な凶暴性は、観るものを魅了する。行儀よく子供と並んで座りながらアニメを見ているイノセンスな姿と、相手の体を破壊しつくかのように蹴り続ける冷静な表情が、無理なく同時に存在する主人公の造形や、背景となる
街並を切り取るカメラワークの、映画的快楽に溢れた空気もすばらしい。