「鍵師ギドウ」 本 大門剛明 読書メーター

 

鍵師ギドウ (実業之日本社文庫)

鍵師ギドウ (実業之日本社文庫)

 

 難攻不落の錠前を解錠したのは誰だ?物理的な鍵だけでなく、人の心の閉ざされた部分も同時に解いていく天才鍵師の設定が面白かった。残念ながら文体が合わず?になる描写がいくつかあったり、人物の造形や谷中など地域への視点に新しさを感じられず、普通に面白かったで終わってしまった。東京の東側を中心に自転車で飛び回る天才鍵師ってのは面白いんだけどね。ハミルトンの「解錠師」とは違う、鍵をめぐる日本のミステリーを期待していただけにちょっと肩透かし。

 

下町を自転車で駆け抜ける鍵師って、昔フジテレビのドラマで、渡辺謙が「鍵師」シリーズってやってたみたいだった。テレビにありがちな人情オチなんだろうけど、観てみたいな。