2010-09-04から1日間の記事一覧
藤谷治を知らなかったのは、幸せだった。何故なら今から貪るように既刊の作品を読み漁る事ができるから。 『棺桶〜』の中に流れる切なさは他に代えが無い。物語の整合や流れよりもこの切なさが、この作品のコアだ。
短いくせに、心に染みる藤谷の良さが凝縮されている。
宇宙開発をテーマにした短編集。「月を僕のポケットに」「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」が秀作。成長の物語と宇宙への憧れは、本当に親和性が高い。特に「ワイオミング〜」は一見シュールなギャグになる設定を真面目な物語としてまとめながら普遍的な男…