2006-01-01から1年間の記事一覧

『宇宙の果てのレストラン』 D.アダムス

なんで、今まで読んでなかったんだろうと、思うかなと思っていたけど、それほどでもなかった。古典は早いうちに読んでおかないといけないね。横順(今日二度目だ!)のパロディの方が、バチグンにナンセンスで面白かった。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』 D.アダムス

『やみなべの陰謀』 田中哲弥

面白い。横順を初めて読んだ時の興奮と同じだ。しかも泣けるんだ。ちょっとだけだけど。

『ロミオとロミオは永遠に 上・下』 恩田陸

懐かしいと言うには微妙に最近なアイテムてんこ盛り。そこは面白かった。でも残念ながら突き刺さるものも、引っかかるものもなかった。文章は巧いんだけどね。

『黒冷水』 羽田圭介

自己満足で、自己言及のための言葉は、気持ち悪い。書きながら、息苦しい事も含めて気持ち良かったんだろうなと思うよ。気色悪いけど。

『白い不等式』 眉村卓

少年誌向けのジュブナイルは、健全で少しだけ闇の影がある。ガキ向けと割り切らない、当時の作者達の作家としての姿勢のせいだろう。この作品の設定は、60年代の青い青年達の意図が透けて見え過ぎるが、それでも純粋に少年のための物語として面白いのはさす…

『さまよう薔薇のように』 矢作俊彦

矢作の描くヨコハマは、いつまでたっても不良な男(の子)の憧れの街だ。クレイジーケンバンドに通じるヨコハマ、ヨコスカなんだよな。車で一時間ちょっとで行ける横浜じゃない。俺には、永遠に辿り着けない、目指すべき街だ。この街で過ごすための修行を日…

ごぶさた。 仕事もひと段落着き、やっと時間ができた。以下は備忘録のリスト。気になったものは、思い出して、かつ時間ができた時にぼつぼつと感想でも。

『ダビィンチ・コード』 ダン・ブラウン

世紀の大ベストセラー、しかも超大作映画化!と言うわけで、映画を観る前に読了。 すらすら読める。これは部数も伸びるはずだし、皆読んでるわけだわ。 小説として、テーマや素材は刺激的だけど、小説としては凡作だ。物語を進めるためだけのキャラクターが…

「海猿 Limit of Love」

映画、テレビドラマと続いてきたシリーズのファイナル、パニックムービーとしての評価が思いのほか高いので、気になっていた。 取り残された乗客、刻々と迫るリミット、不可能な状況と克服、連帯と友情、プロとしての仕事、ともに過ごしてきた男達の信頼と絶…

『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎

大傑作『陽気なギャングが地球をまわす』の続編。期待しない方がどうかしている。 映画化のおかげかどうかは知らないが、良くぞ出版してくれた。どれだけ待ったことか! 一読、体中が伊坂ワールド(この作品の場合は、ギャング連中ワールドか?)に満たされ、…

「LOST」

ここ半年、録画しては時々思い出した様に観賞してゆっくりと消化していたのだけれど、ついに1シーズン終了。オーストラリアからLAに向かう飛行機が太平洋のど真ん中で墜落し、南海の孤島に不時着、生き残った40数人の物語と言う、概要を聞いた時とは、かなり…

「飛縁馬」

『氷菓』 米澤 穂信

『レイクサイド』 東野圭吾

『青空の卵』 坂木司

ひきこもり探偵とその友人との、ホームズ・ワトソンもの。しかも人が死んだり、物騒な事件が起こるわけではない生活の謎ミステリー。最近多いんだよな、こういう生活の中の謎もの。嫌いじゃないけど、少し食傷気味だ。と思って読んでいたら、ふっとばされた…

『消し屋A』 ヒキタクニオ

『狂気の桜』に脇役として登場していた消し屋の、スピンアウトストーリー。可もなく不可もなし、普通に面白い。心に響く台詞も多いし、誰にでもお奨めできる一冊だ。本筋とは直接関係ない、消される対象のホークスの名捕手真壁の父の過去の話や、オカマ三人…

『セカンド サイト』中野順一

中途半端な印象が強い。弱いヒーローなら、もっと強い個性かセンチメンタルが欲しいところ。石田依良好きな作家らしいフォローワー小説だな。脇役も含めて、石田の方がもっと上手く書くだろうなと思わせてしまう時点で、負けだ。

『炎と氷』新堂冬樹

著者お得意の金貸しの話。直情の過剰な暴力と冷酷な知の暴力と言う対照的な性格を持つ、中学時代の同級生が、お互いの存在をかけて対立するコンゲーム。闇金のコンゲームだけに、壮絶なだましあいになるのだけれど、どこか喰い足りなかった。もっとどろどろ…

「チャーリーとチョコレート工場」

「メゾン・ド・ヒミコ」

『陰日向に咲く』 劇団ひとり

けっして美文ってわけじゃない。けれどこの作品の文章は、良いと思う。 劇団ひとりの処女作。抜けていて、おバカで、卑屈で、落ちこぼれと言われるような小市民的なダメな人物逹の物語。俺にとって日常の延長として、自分のことのように感情移入しやすいキャ…

『Op.ローズダスト』 福井晴敏

いや〜満腹。福井節炸裂。 くたびれた中年オヤジの復活と、ナイーブすぎて尖ってしまった陰のある少年の再生の物語。バックにはこの国の閉塞感と軟弱で腐ってしまった現状への否定。今回は振りすぎた安易な右翼の否定まで含まれているってんだから、どこに不…

『レフト・アローン』

ハードSFも時には良いね。

『金春屋 ゴメス』

ファンタジー大賞受賞作。受賞作の傾向や内容にものすごく広い幅があるだけに、好き嫌いがはっきりわかれる作品が多い賞だけれど、この作品は万人に薦められる傑作だ。 関東北部に広がる国の中の独立国、江戸。東京を初めとする外の世界とは鎖国状態にある江…

3年以上使っていたTU-KA京セラのFunstyleをついにお蔵にして、au乗り換えでneonを買った。 良いね。大きさは、いまどきとは思えないほどでかいし、通話の時の大きさや、耳への接触感や、ボタンのフィーリングも、まるで駄目だけど、このデザインは素敵だ。 …

「チームアメリカ」

『熱帯』 佐藤 哲也

伊坂幸太郎の帯が決め手で読んでみたけど、作者の文章は俺にあわないな。『妻の帝国』はそれでもソフトで顔の見えないファシズムな話で興味深く最後まで楽しめたのに、この作品はだめだった。ギリシア神話を叙述や設定に引用し、狂騒の熱帯の東京のどたばた…

「愛と平成の色男」

懐かしい。懐かしいだろ? バブルのチープなゴージャスが楽しい。結局、この頃にかっこよいと感じた物が、手を変え品を変え、俺の中にまだあるんだな〜と思う。ジャガーに乗った歯科医でジャズプレイヤーって設定だけで、もうクラクラだもんな、この作品の中…