『脱獄作法』

宝島社のこのミステリーがすごい大賞の何回目かの受賞作。確か大賞じゃないはず。でも読者賞となんとか賞をダブル受賞しているらしい。う〜ん。飛行機の中で読んだんだけど、まあそのレベルかな。主人公のクールさも中途半端だし、飄々さかげんも中途半端。解説ではベタ褒めだけど、そんな事はない。脱獄モノでは大傑作『グリーン・リバー・ライジング』があるし、映画にも『大脱走』という爽快な傑作がある。軽妙な会話の主人公なら伊坂幸太郎がいるし、アジアの犯罪者なら当たりはずれはあっても馳星周がいる。どこから見ても突き抜けてないんだよな。中途半端。スピードもできそこないで、失速しがちだし。ガイ・リッチータランティーノももっと軽妙で巧妙な構成で、語り口で溢れるスピード感があるから面白かったんだよな。まだまだだ。