『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』 映画 どれだけの人数の死から物語が始まるのか。皆殺しの富野の変奏曲。

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J-COM VOD劇場公開同時配信で鑑賞。

ついに、オリジンが終わった。ORIGIN I で3倍速い赤い彗星の戦闘シーンから始まったシリーズは、ルウム戦役、レビル大将捕獲の1stシリーズ直前で完結した。

満腹、満足だ。

冒頭の連邦戦艦とジオンモビルスーツ部隊の戦闘はCG全開の専用シーンだが、そのスピード感と動きに大興奮だ。

1stの手書きアニメでは絶対に表現のできない艦隊戦も満喫だきただけで、一見の価値がある。

 

ストーリーは1stガンダムの第1話に続く必然のため、既知の状態に収斂していく。そのため大きな驚きはない。

過去5作の中にあったオリジナリティの高い展開、モビルスーツ開発秘話、ラルとハモンの過去やシャアとセイラの過去のようなオリジンらしいサブストーリーがあるわけではない。

レビル捕獲の過程とデギンとの交渉とその結果が多分6のオリジナル部分にあたるのだろうが、ここまで物語が進めばルウムの戦闘が一番の見せ場になり、サブストーリーも添え物以外の何物でもなくなる。と言いながら最後に近いある人物の演説の有名なセリフには震えたが。

オリジンの主人公であるはずのキャスバルも今回は、完全な主人公にはなれていなかった。

1stへと繋がる大きな物語の流れがこの作品の主人公だ。

ああ、ここからあのガンダムが始まるんだという綺麗な繋がりがなによりも満足に繋がる。

ラストの一言、オリジンの締めとしては完璧だ。

 

30年以上前、ブラウン管テレビの前で、パイロットの排気音が流れスペースコロニーにザクが侵入するシーンを観て感じた、今までどこでも見た事のなかったSFでリアルな世界観を持った本格的なアニメが始まるんだというワクワクとした期待感の高ぶりを再び思い出す事ができた、それだけで十分に満足だ。