「蛇のひと」 ★★★★

第二回WOWOWシナリオ大賞受賞作。スポンサー縛りや事務所縛りでキャスティングが自由にできない地上波民放局では実現できない、質の高いドラマ。人の悪意と善意の狭間の物語。白黒付けられない人の状態をステレオタイプに陥らず、微妙なタッチで描ききっていた。映画にするには小粒な世界だけれど、行方不明になる課長の存在の不安定さを、視聴者に媚びずにぎりぎりで成立させている。