『戦争で死ねなかったお父さんのために (1979年) (新潮文庫)』 つかこうへい 本 読書メーター

戦争で死ねなかったお父さんのために (1979年) (新潮文庫)

戦争で死ねなかったお父さんのために (1979年) (新潮文庫)

 
舞台『郵便屋さんちょっと2017』観劇に向けて再読。10代の頃、自分の体(頭・言葉)は、つかこうへいと栗本慎一郎村上龍でできているとイキっていた。それぐらいに大きな影響を受けた1人。今読んでもあまりにも真摯な姿勢と、時代に真っ当に向き合う人への偏愛が刺激的。学生運動、生まれつきの格差、人の性根の卑しさへの想いが、照れ隠しも兼ねたケレン味を帯びた舞台的な大仰さの後ろに伝わってきて心に響く。革命だ愛だと口にする事への真っ直ぐすぎる責任感、田舎モンがどん百姓がと叫ぶ暴力性、繊細な眼差しのギャップが刺激的だ。